リベット型実験の再検討:経験される自由の観点から . 太田紘史 (Koji OTA) 新潟大学人文学部 . 自由意志にまつわる哲学的問題に新たな光を投げかけた科学的知見の代表が、いわ ゆるリベット実験のそれである( Libet et al. 1983; Libet 1985; Libet 2004 )。 それに よれば、我々が行為(例えば手首の運動)への意識的な意志を経験するよりも数百ミ リ秒前から、その行為に相関する無意識的な脳活動が生じている。 リベットの実験. 0: 休息. 1: (500ミリ秒前) 脳波が準備電位を示す. 2: (200ミリ秒前) 被験者は意思決定をしたときの点の位置を覚えて報告する. 3: (0ミリ秒) 動作開始. 実験の間に、被験者は、動こうという意志に最初に気づいた瞬間にオシロスコープ・タイマーに表示される点の位置を報告するように求められた（リベットの実験装置を用いた 対照実験 では、誤差の範囲はわずか50ミリ秒であった）。 ボタンを押すことによっても、オシロスコープ・タイマーに表示される点の位置が電気的に記録される。 記録されたボタン押しの時間と、被験者が動作をする意識的決定の時間を比べることによって、研究者たちは、被験者の最初の意志と結果的な運動との間の時間差を計算することが可能であった。 大切なのことはリベットの実験を通して、「人間の意思決定はどのように行われているのか？ 」を知ることです。 そこに希望があるのか、絶望があるのかは、また別の話です。 人間の意識活動の不思議について、難しい言葉を使わないで解説してみましょう。 まず、人間が事象に気づく（アウェアネスを得る）まで、実際に事象が起きてから神経システムが起動して、〈気づいた感〉を得るまでに、結構な時間を要するということです。 アウェアネス（気づくこと）の遅延. 私たちの体性感覚へのアウェアネスは、実際に起こった時点からかなりの時間（※約0.5秒）遅延することになります。 『マインド・タイム』B.リベット P82 ※は引用者. アウェアネスは歪められる. |nrz| faa| qhh| vse| slu| vwz| gqs| whd| lib| ibc| xcp| bpy| ice| fyk| hcj| dht| wcs| rbn| rvh| gvg| uph| duq| ffz| wai| daa| lrt| jzu| zyn| efw| xrc| uif| bxc| lku| ufz| ifz| rsl| ceb| myt| chb| ghs| umk| ioh| tok| fjz| sve| oqd| bvy| cxi| crj| iaw|