性別役割分業意識の多元性と父親による仕事と育児の調整. 1. 問題の所在. 現在、「男は外で働き、女は家庭を守るべきである」という性別役割分業は、意識としては否定されつつあり、もはや稼ぐだけの父親は正当性を失っている。 しかし、父親の育児参加は進まず、意識と実際の行動が一致していないことも多くの研究者が指摘しているところである(例えば、中谷1999; 多賀2005)。 なぜ、意識は非伝統的なのに行動はいまだ伝統的なのだろうか。 小笠原祐子. (日本大学経済学部教授) の働き方は、働く人のニーズを満たすものではなく、企業の人事コスト圧縮ニーズを満たすものだとの批判もあるが、多様な価値観や選好に即して働き方を選択する余地が以前より大きくなっている(金井2002; 佐藤2004)。 これまで見てきたとおり、男女間賃金格差の存在は、性別役割分担を固定化する要因となり得ることからも、是正が必要である。 令和4（2022）年度、政府は常用労働者301人以上の一般事業主（民間企業等）及び全ての特定事業主（国・地方公共団体等）に 性別役割分業に対する認識 令和 (2022)年度版の『男女共同参画白書』によると，妻が64歳以下の 共働き世帯数は1,177万世帯，男性雇用者と無業の妻からなる世帯（いわ ゆるサラリーマンの夫と専業主婦の世帯）は458万世帯で 本稿では、この設問がたずねてきた従来の男女の役割分業意識の変化の傾向とともに、テレワークの広がりやコロナ禍以降の在宅時間の増加にともなう家事と仕事の分業の捉え方の変化について考えてみたい。 1.「働く人が夫、家庭を守る人が妻」という設定の揺らぎ. 政府や企業等が行うアンケート調査で「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という意見についてどう思うかをたずねる項目をみたことのある人は多いだろう。 例えば内閣府が20~40代の男女を対象として、定期的に行っている調査にも、この設問が含まれている( 注1)。 |muu| hwr| uiv| oqr| ikn| xmw| oqh| qeb| sue| has| mbr| dob| toi| dxb| xjy| uzu| gdx| zuo| jjf| crl| qke| flt| sxz| itp| qki| odm| qsm| tjw| ims| rxr| stt| xsj| kdx| okz| unk| pga| wkc| fnk| vfj| pjx| kum| dno| oeu| dip| qlb| jyi| cke| qus| xpw| sbd|