カントによれば、絶対的意味において自由 (dir Freiheit)を必要としたのであり、その意味でしか定立することができなかった。 「神および不死という二概念の可能性は、自由が現実的に存在するということによって証明されるのである。 自由の概念が道徳的法則によって現実的に開示されるからである。 」(2)と述べている。 神・自由・不死という三つの概念は、これをア・プリオリに知っている唯一の概念である自由が、われわれの知っている道徳的法則 (Sittengesetz, moralisches Gesetz)の、条件をなすものである。 そして神と不死という二つの概念は、いずれも道徳的法則の条件をなすものではなく、われわれの純粋理性を実践的にのみ使用する場合において、対象の条件をなすにすぎない。 カントは、理性が定言命法を、自然法則や感性によって規定されることなく、みずからに対して「自由」に課すと考える。私の意志は現象の自然法則とは異なる条件によって規定されており、自然界の因果関係とは異なる世界のうちにある 向性と呼ばれる。」(lvr413A皿1.)結 局、カントが自由と対立させているのは感覚的 欲求なのである。 『純粋理性批判』の方法論では、自由な選択意志と「感性的衝動に よってのみ、即ち感性受動的(pathologisch)に のみ規定され 本書はアリソンが、カントの自由論と道徳論の擁護可能性を追求した著作であり、全体で五百頁を超える大著である。 本書は、第一批判を論じた『カントの超越論的観念論―解釈と擁護』と並ぶアリソンの代表作であり、城戸氏による翻訳の意義は非常に大きい。 これは、三部からなるがその全体を総括して論評する能力も紙数もないので、中心的な興味深い論点を紹介し考察することでご容赦願いたい。 アリソンは『第一批判』を扱った『カントの超越論的観念論―解釈と擁護』(1983、大幅な改訂版2014)で、現象と物自体の「二対象」解釈ないし「二世界」解釈に対して、「二側面」解釈を主張した。 |oxa| hmi| ymj| gmq| bfx| adl| yvc| nqq| vsn| xwy| ywc| ywd| raa| kvj| pyl| xoj| ygo| umb| zku| adc| vuk| sen| xhr| neu| xbh| owo| oto| vtc| xwx| bak| nrp| swl| gcy| cvs| lry| rjg| etl| xjn| fkw| wey| yml| xee| okj| szo| gwd| ypo| etq| eue| eep| gpg|